現在アニメが好評放送中の「僕だけがいない街」
真犯人が明らかになり、一番の盛り上がりを見せるのがこの6巻です。
表紙は背中合わせのおっさん悟と、がきんちょ悟です。
大人悟はなんで半袖着てんの?雪降ってるのにwww
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あらすじ(ネタバレ注意)
以下簡単にあらすじを書いています。 感想だけ読みたい方は下のほうへどうぞ。
「真犯人」に敗北を喫する悟
美里が誘拐されたと思い、八代の車に乗り込んで美里を追う悟。
しかし、車の中で八代は不思議な独白を始めます。
君は「誘拐犯がいると確信」して行動している
あの車に美里は乗っていないよ
乗っているのは白鳥潤の親父さんだけさ
視界が歪む悟。
八代は、悟が敵かどうかを見極めるために仲間から浮いていた美里にアイスホッケー観戦を勧め、加代を通して悟に情報が伝わるようにした、ということを告白します。
ついに、八代は悟が「敵」だと認識しました。
悟はあまりにも八代先生のことを信頼してしまっていました。
ついに「八代学」が犯人だとわかった悟。
八代は雪が降り積もる川ぞいに車を止めます。 これから八代が何をしようとしているのか察した悟は車から降りようとします。 しかし、シートベルトに細工がされていて降りられません。
八代は車を降り、アクセルにバスケットボールを挟み、車を川に落とします。
走馬灯を見ながら、悟は意識を失います。
平然と歩いて立ち去る八代。
そして八代は何事もなかったかのように教職を続けます。
八代学が巧妙な犯罪者になったきっかけ
学の家は裕福な家庭でした。 兄はちゃんと躾けられなかったせいで暴力的に育ち、両親は見切りをつけます。 それに対して優等生だった学は両親に溺愛されるようになりました。
両親からの愛に飢えた兄は、学に暴力を振るうようになります。
そして兄は心の穴を埋めるための代償行為として、小学生の女児に性的ないたずらをするようになります。 兄は小学生を誘い出すために学を使うようになり、うまくいったときには殴られることはありませんでした。
殴られたくない学は、女児を誘い出す術をどんどん身につけていきます。
ある日、自宅の倉庫で例のごとく女児にいたずらしていた兄。 外で母親と近所の人が立ち話をしているのが聞こえ、とっさに女児の口を抑えつけます。 普段は人が来ないように学が見張りをしていましたが、そのときは学は遊びに行っていて見張ってはいませんでした。
息絶えてしまった女児。 蘇生を試みましたが、ダメでした。
女児が行方不明という噂はあっという間に広がり、翌日は集団下校になります。 兄は学を犯人に仕立てようとしていました。 学は即座に法医学の本を調べ、「ある計画」を実行に移します。
「にいちゃんちょっと来て!」と、女児を隠してある倉庫に呼び出し、兄が首吊り自殺をしたように見せかけて殺害します。
この事件は、兄が罪の意識に苛まれて自殺したということで片付けられます。
それから、何事もなかったかのように成長して大人になった学。 しかし、女児を誘い込んで殺めるという悪習が身についていました。 ついにはそのことを察して問い詰めてきた恋人も兄と同じように自殺に見せかけて殺します。
2003年、長い昏睡から目覚める悟
1988年の冬、川に沈められた悟は偶然通りかかった獣医の女性に救助されます。
心肺停止状態で低体温症を起こしていましたがなんとか一命を取り留めます。
それから15年の長きに渡る眠りについた悟。 結局そのときは犯人が特定されることはなく、白鳥潤が罪を被せられることもありませんでした。
15年の期間、悟のお母さんは悟を看護し、筋肉が固まらないようにケアを続けていました。 悟は徐々に体の機能を取り戻します。
悟は記憶の欠損した期間があることに気づきます。
それは雛月を救い、中西彩を救い、八代に殺されかけた期間の記憶でした。
眠りから目覚めた悟が解決したい一つの疑問
悟が眠りについたのは小学生の時でした。
しかし、目覚めた悟が絵を描いてみると常人離れした写実的な絵が描けてしまいました。 また、知らないはずの漢字が書けたり、自分の外見に「やせたなあ」くらいの感想しか抱かなかったり、経験していないはずの中学生時代の記憶があったり、理解できないことが沢山あります。
小林賢也(ケンヤ)は、2冊のファイルを作り、悟が眠りにつく前にあったこと、どうして悟が事件に巻き込まれたのか、みんなが悟を支えて悟の生命維持をしていたことを知らせます。
しかし、それでも解けない疑問があります。
・眠りにつく前の悟は、なぜ急にそんな行動をとったのか。
・いつ「真犯人」の存在を知ったのか。
悟はいろいろなことを考えながらリハビリに励みます。
愛梨再登場
悟は病院で入院患者の「久美ちゃん(くみ)」9歳と仲良くなります。
そんな悟をゲスな目で見つめる人もいます。
ゴシップが面白おかしく悟を取り上げるために悟と久美ちゃんが一緒にいるところを写真に撮ります。
なぜかその場にいた愛梨。
ゲスなカメラマンを見た愛梨はカメラマンの顔面にグーパンをお見舞いします。
それを見た悟、立てなかったのに車椅子から立ち上がります。
記憶の鍵が開く音がします。
感想
八代が悪習を身につけたきっかけの部分がよく考えられていて特におもしろかったです。
子供の人生は親によってかなり左右されます。 貧乏、裕福とかだけではなく、ちゃんと善悪を教え込まれていないと、ろくな人間に育ちません。
聖書の巻頭に出てくる人類最初の家族の話にも通じるものを感じました。
両親は長男を溺愛し、期待をかけますが、その分傲慢になってしまった長男カイン。
あまり期待をかけられなかった次男アベル。
次男はいい特質を持っていたので神に気に入られ、好意を示されます。
長男カインは神がアベルに好意を示すのを見て憤ります。
カインはアベルを呼び出して殺してしまいました。
この話では次男アベルは全く悪くないんだけどね。
親の無駄な期待によって人生が狂ってしまう子供もいるってことです。
まあ、全てが親のせいではないですけどね。
もし自分が親になる時があったら、十分注意したいと思います。
あと一つ疑問に思ったのは、八代学の「衝動」というのは兄のように性的なものなのか、それとも人を殺めたいということなのかということです。この点はよくわかりませんでした。スリルを味わいたいためだけにそのような事件を計画しているんじゃないかとも思えます。
6巻の後半は眠りから目覚めた悟の記憶の食い違いを解決することにフォーカスされていました。 なんどもリバイバルした悟。記憶が混乱するのも無理はないですね。
実は重要な記憶をたくさん握っている悟なので、今後どういうタイミングで記憶が繋がっていくのか、気になります。
早く八代をとっちめてやってほしいですね。
アニメもフジテレビ”ノイタミナ”にて好評放送中です。
今期の覇権かもしれません!
そして実写映画化も予定されています。 実写映画は2016年3月19日全国ロードショーです。 キャストは悟役が藤原竜也さん、愛梨役が有村架純さんです。こちらも楽しみ。
最新7巻の感想はこちら
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